もう少しだけ、そばにいて
」のレビュー

もう少しだけ、そばにいて

白野ほなみ

もう涙が止まらない…

ネタバレ
2024年9月28日
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タイトル通りほんとにずっと、ずーーーっと泣いてました。
身体障害を扱う作品に対して、色々思うところはあるんです。もう泣かしに来てるなって作品もあるじゃないですか?コンテンツ化されるのはどうなのかなとか思っちゃうんです…。でも、車椅子の人の日常について知るにはとても良かったです。入りやすかったし、無理やり作られた山場みたいなのがなくて、日常のなかでお互いに思ってても言ってなかったことが積み重なってすれ違ったけど、お互いに好きで愛情があるのがわかるので良かった…。

車椅子で生活している晴人と、3年目ながら営業トップの晃。学生時代にいい仲になり、突然の事故で晴人が車椅子になったことがきっかけで一緒に住むことを提案、同棲して2年のカップルです。
事故をきっかけに人生の色んなことが変わっていった2人。どちらの気持ちもわかりすぎるくらいわかるので、もう涙が止まりませんでした。
晴人からすれば、自分がこんなに辛いのに晃にかけてる迷惑が気になってて、それを辛いと言わないのもまた辛くて。いつでも自分の手で終わらせられる選択肢を御守りのように持っているのも、悲しいけどわかる。
反対に、晃からすれば、甘えてもらえないこととかが辛くて、別れを切り出されたことも辛い。書類を見てしまい、自分との将来を考えてもらえていないことが辛い。
すれ違ってしまったけど、先輩の存在もまた有り難いよね。ちゃんと冷静になれる時間を作ってくれた。ナイスアシストです。
車椅子に対する、世間の目は優しいだけじゃないかもしれないけどやっぱり優しい人もいて、パートナーシップ制度がとれるようになったり、思ったよりも明るい未来を2人で歩んで行けているみたいで嬉しくなりまた涙が。
エピローグ。2人で一緒にあちこち出かけられたんだと思うと、またここで涙。最後の地がスイスということは、そういうこと?よね?
自分らしい人生を真っ当できた晴人は幸せだったと思うけど、残された晃はどんな思いだったんだろう。
他の方のレビューを見て、あぁ、認知症ってことなのかと認識できたのですが、それでまた泣きましたね。
生き方の多様性が選択できるようになりましたが、どんなことが幸せでどれを選ぶのかは本人たち次第なので、この2人はこの2人の幸せな人生を全うしたと思いたい。
素敵な作品をありがとうございました。
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