僕が歩く君の軌跡
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僕が歩く君の軌跡

キフウタツミ

尊い

ネタバレ
2024年10月5日
このレビューはネタバレを含みます▼ 「僕が歩く君の軌跡」8巻まで読了。タイトルの軌跡という言葉に惹かれあらためて調べてみたら、「車輪の通った跡、わだち。ある人物がたどってきた跡。定点から一定の距離を保ちながら動く点の軌跡は円…」 たった二文字なのですが、そこから想像してしまう凛太郎、蓮2人の関係性が尊く、すぎて…😩 何度もため息でした。

2人は最後出逢えるのだろうか…と思ったり(実際に会ってはいるのですが、人生の中では繋がっていない様で)

事件の真相や先生と弟の存在、叔父、凛太郎サイドのあれやこれやと付箋はいっぱいですが、凛太郎は2人で過ごした記憶を忘れている蓮に焦れることなく、彼のペースでゆっくり…と言って見守っていて。そんな想い方の彼に、慈悲の様なものを感じ😩 (うう)

髪を切ったらますます王子になるどころか少年に戻る凛太郎に、おばちゃんたちの隣で私もドキドキ。なのに凛太郎の服装(ちょっとワイルド)から、両親を亡くし兄弟だけでやってきた感を感じてしまって凛太郎…と涙😩
優しい凛太郎だけど、やけくそになったらウィスキーロックでステーキ肉叩きまくってひとり料理する姿が可愛いくて…(パンじゃないのがカッコいいよ)最後は美味い、と食べて気持ちをリフレッシュ。…あぁ、そうやってひとりで頑張ってきたんだろうかと思ったら、何かよくわらないけど手を合わしました。
お兄さんの前では”弟”になり、誰にも心の内を話さない凛太郎。蓮と2人の笑顔が見たいです。

ずっと我慢だったのかなと感じる壮年の方の様に、蓮のフラストレーションは退院後から作家として自立するまで我慢に我慢で、ケーキを食べる楽しみも人に頼らないといけなくて、全てが今もままならないんだろうなと…そんな事を冒頭の蓮を見ながら気の毒になりました。

また、成人した他人の全ての世話をする仕事というのは、大変な事だなと。そんな職の凛太郎は、トイレに間に合わなかった蓮と雨の中の接し方が相手の自尊心を敬っているなと。だからかその後2巻、蓮を抱き抱えて…のシーンには、何かもうはぁ、と。泣いてしまいました。凛太郎の優しい蓮への想いに、毎話感動します。

続編を楽しみに。
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