それでも、やさしい恋をする
」のレビュー

それでも、やさしい恋をする

ヨネダコウ

キュンとかのぼせのその先は…

ネタバレ
2024年10月5日
このレビューはネタバレを含みます▼ 「どうしても触れたくない」より好きな二人です!結ばれると同時に、また1から始まるわけであり、そこから関係をどう育てていくのか…そちらがテーマになってる作品ですね!私のような年配のものにはより身近でリアルで、二人のやり取りに過去を思い出したり、新たな気付きがあったり…ヨネダコウ先生の作品は、読者に色んな解釈の余地を残してくれるので、何度読み返しても、その時々で違う気付きを得られるところが、ひとつ頭抜けてるなって思います。小野田が出口の過去にショックを受けて、ギクシャクするあたりは、読んでて苦しく、どう着地するのかハラハラしました。私ならショックの原因を相手の行動のせいにして、「相手」を受け入れられないってなっていただろうなと。同時に責める権利もない自分も責めて、八方塞がりになりそうです。でも、受け容れられないのは、実は、嫉妬してる「自分」であり、嫉妬という醜い感情そのもの、なんですよね~…うん、今だからワカル…小野田のような、割と穏やかでお人好しな受け身の人って、あまりそういう感情、普段は経験しないから余計戸惑うのだと。。でも、それを認めて、そんなみっともない自分を正直に伝えたら、ひとつ壁が壊れて関係が深まるんですよね…あー私も昔、正直に嫉妬してると伝えられていたら拗れなくて済んだのかなあ…私は理性とプライドが邪魔をして、嫉妬してる自分を否定してしまったよなあ…と思い出して、懐かしくなりました。「好き」という気持ちに正直になるのは難しくなかったけど、恋愛すると付随してくる、嫉妬やみじめさ、不安などに正直になれなかった。他者に気遣いはするけど、自分の感情には疎い…(実は私も小野田と同じAB型…)だから関係を育てられずに、相手を失ってしまったりする。出口はとても素直だから、昔はこういうタイプ苦手でしたが、今は可愛いしスゴいなって思いますね。羨ましい。お互い素直になる、とは、つまりお互いが自分自身に対して素直になるってことですね…時々難しいし、ぶつかりもしますが、しっかり言語化して伝え合うことの大切さ、素敵さ、が描かれていて、愛の二面性を感じられるからこそ、作品の深みに繋がっているように思いました。でも、ここまで深読みしなくても、十分楽しめるお話です(笑)ヨネダ先生、サイコー!
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