このレビューはネタバレを含みます▼
もう、すべてのキャラクターが愛されるべき人たちで、あたたかい気持ちになれる作品です。
前髪をあげたら、じつはかわいい、ちょっとメイクをしたら、すごくかわいい、そんな夢物語ではなくて、主人公はいたって普通の女の子です。
そう、ブスなんてね、いないんです。かわいいか、ふつう、それだけ。
それはきっと、男子も同じ。
そんな女の子が、クラス、学校どころか、他校にもファンがいる超絶イケメンで性格温厚、でも恋愛にはポンコツな男の子から求愛されて、だんだん心を開いていく。
王道だけど、ほかの作品にはない、なにかがあります。
ところどころに、心の中の天使と悪魔みたいな、心臓に突き刺さる愛の矢とか、いろいろな年代の「小技(わざ)」の描写がいっぱいなところ、それもある。
一時期、進行上、あえての悪役になる登場人物もいますが、やがて強い味方になってくれます。
もう、こんな高校生活を送ることができたら、どんなに素晴らしいか。まあ現実は現実として。
ひとつだけ、難点があるとすれば、タイトルに、もうひとひねり、入れられなかったのかなというところ。そのままだと、ルッキズムだと批判されかねない。
ああ、さえない女の子が、学園スターの男の子から求愛されるパターンね、とスルーされることも少なくないのではと思ってしまいます。
もう、全員のスピンオフをつくってほしい。
ちょっとユーウツな出勤時、電車の中で1話、2話読むと、こころが浄化されて、すっきりとする、あのときのみんなの名作です。