このレビューはネタバレを含みます▼
前編では褒められた人ではなかったかと思いますがなぜか応援したくなる憎めなさがあり、元々特攻に行く予定じゃなかったくせに結局1度も臆することなく、最期も伴くんの仇を討つために死にすら前のめりなところ、本当に真っ直ぐで圧倒されました。
それに伴くんが感情表現控えめながらも応えてくれるのがじんとします。
伴くんがいつの間に少佐を想うようになったのか自分なりに納得したくて何度も読み返してしまい中毒性があります。(とはいえ私もいつの間にか少佐が大好きになってしまっているので具体的なポイントはわからなくても好きになってしまう気持ちはよくわかりますw)
お互いがお互いのために、ぽんと命をかけてしまえるところが凄いとしか言いようのない2人でした。
複雑ですが2人だけのハッピーエンドを迎えられたのかなと思っています。
そして伴くんの色がない世界に坂ノ上さんから色が与えられたように、戦争ものの映画やドラマのどこかくすんだ世界を観るのが辛くて苦手だった私も、この作品に出会えたことであの時代を生きた人の色を感じるセンサーが動くようになったような感覚があります。
ものすごい読書体験でした。素晴らしい作品をありがとうございました。