やり足りずにおわったことは忘れられない。





2024年10月6日
雄大な絵を「岳」サイズで楽しむには横読みがマスト。
シェルパ族頭のアン・ブルバほか、の話。
登山家たちを惹きつけ、執念の対象とも執着の頂ともいえる世界の最高峰エベレスト。恐い位に皆が挑み続ける姿が、登らない私の眼には痛々しいというか、魔の吸引力を持つ存在に映る。
51頁「南西壁」41頁「裸足の壁」。
モンブランのドリュ北壁-30頁「Part1.遭難」30頁「Part2.時よ止まれ」。失くしたと思っていた魂が、その契機に蘇る。
36頁「遠い頂」、ここにもエベレストに魅せられた男が。「はるかなヒマラヤにそびえる世界最高の頂にあこがれ」!。でも、本当の登頂の成果は私が思うに、シェルパのかたがたのものでもあって、かつて観た登山記録的映画「K2」に於いてはカメラマンの功績もあると思った。
38頁「ザイル」-アルプス北壁。そこに山があるから、なる登山理由(クライマー心理)はよく聞くけれど「そこに命(人生)そかけた理由を知るため」の言葉にも、なるほどと感じた。
42頁「ヒマラヤの虎」はアン・ブルバの話ふたたび。
41頁「吹雪」は日本の北アルプスが舞台。理由に圧倒される。「美しいから」。すごく胸に響いてきた、と、あとでそこが胸に刺さってえぐってきた。
30頁「Part1.最終キャンプ」、30頁「Part2.北西壁の5人」はK2が舞台。
全375頁。
話の中には、「*この物語はフィクションです」の断り書きが見つからない話もある。
こうも「岳人」集だと
話がひとつながりでないと読み疲れることはある。山で一応ちゃんとまとまりがあるのに、気持ちが切れやすい。しかしその分、登山にとりつかれている男たちの短編ドラマが濃い。
正に壁を伝い登り、細く危険なルートを命掛けで踏み入れていく緊張感一杯。
やりすぎの失敗は忘れても、やり足りず終わったことは忘れられない、この言葉は一般的にも深い意味が感じられることばであるのに、本書の中ではその意味をもっとリアルにかみしめてしまうところがあった。
絵は男性向け特有の線と強烈さがあり、少女・女性向け漫画好きな私には、妙な擬態語もあって、更にキャラ達の発想にはついて行けない独特の理屈もある。けれどもそうした「臭さ」もひっくるめて、このクライマー達の世界が色濃く描かれており、読み終えると、読まなければ体感し得なかったような追体験感覚があって、トリップしてきた気分となる。
第6回(1982年度)講談社漫画賞少年部門受賞作品。
シェルパ族頭のアン・ブルバほか、の話。
登山家たちを惹きつけ、執念の対象とも執着の頂ともいえる世界の最高峰エベレスト。恐い位に皆が挑み続ける姿が、登らない私の眼には痛々しいというか、魔の吸引力を持つ存在に映る。
51頁「南西壁」41頁「裸足の壁」。
モンブランのドリュ北壁-30頁「Part1.遭難」30頁「Part2.時よ止まれ」。失くしたと思っていた魂が、その契機に蘇る。
36頁「遠い頂」、ここにもエベレストに魅せられた男が。「はるかなヒマラヤにそびえる世界最高の頂にあこがれ」!。でも、本当の登頂の成果は私が思うに、シェルパのかたがたのものでもあって、かつて観た登山記録的映画「K2」に於いてはカメラマンの功績もあると思った。
38頁「ザイル」-アルプス北壁。そこに山があるから、なる登山理由(クライマー心理)はよく聞くけれど「そこに命(人生)そかけた理由を知るため」の言葉にも、なるほどと感じた。
42頁「ヒマラヤの虎」はアン・ブルバの話ふたたび。
41頁「吹雪」は日本の北アルプスが舞台。理由に圧倒される。「美しいから」。すごく胸に響いてきた、と、あとでそこが胸に刺さってえぐってきた。
30頁「Part1.最終キャンプ」、30頁「Part2.北西壁の5人」はK2が舞台。
全375頁。
話の中には、「*この物語はフィクションです」の断り書きが見つからない話もある。
こうも「岳人」集だと
話がひとつながりでないと読み疲れることはある。山で一応ちゃんとまとまりがあるのに、気持ちが切れやすい。しかしその分、登山にとりつかれている男たちの短編ドラマが濃い。
正に壁を伝い登り、細く危険なルートを命掛けで踏み入れていく緊張感一杯。
やりすぎの失敗は忘れても、やり足りず終わったことは忘れられない、この言葉は一般的にも深い意味が感じられることばであるのに、本書の中ではその意味をもっとリアルにかみしめてしまうところがあった。
絵は男性向け特有の線と強烈さがあり、少女・女性向け漫画好きな私には、妙な擬態語もあって、更にキャラ達の発想にはついて行けない独特の理屈もある。けれどもそうした「臭さ」もひっくるめて、このクライマー達の世界が色濃く描かれており、読み終えると、読まなければ体感し得なかったような追体験感覚があって、トリップしてきた気分となる。
第6回(1982年度)講談社漫画賞少年部門受賞作品。

いいねしたユーザ3人
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みみちゃん さん
(女性/50代) 総レビュー数:0件
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romance2 さん
(女性/60代~) 総レビュー数:1852件
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アヲアラシ さん
(女性/-) 総レビュー数:100件