恋文十色
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恋文十色

ミナヅキアキラ

あれれれれ?

2014年6月26日
【『恋のきっかけは様々だ』とうたっている様な短編集です。】

この1冊でミナヅキ先生の全てだと判断されたら嫌だな…。

私はこの作家さんが好きで定期的に入荷していないかチェックしたりしていたのですが…。
この作品は短編集で、この作家さんの持ち味の『空気感』『世界の構築力』『湿度』『(独特だけど)際立つ画力』はふんだんに生かされていました✨
更に以前よりキャラのバリエーションも増えたなと思うのですが…。
この作家さんのもうひとつの持ち味である『エロチック』がほぼありません。

この作家さんは濡れ場の見せ方についても天下一品で、下品にならず色香を醸すという素晴らしい表現の持ち主なのですが、今回の作品は皆無に近い。

とにかく雰囲気と世界観と空気感で勝負といった感じです。

もうそれだけでも充分すぎるクォリティーで流石だなと思うのですがやはりエロチックという要素が抜けてしまった分、辛口の評価になりました。
ミナヅキ先生はもっと凄いから。

逆にエロが苦手な人は控え目な描写で良いかも知れません。



◎(1) 1話 書画喰う虫も好き好き~5話 子供騙しと机上の恋
〔 書家と読書好きで奥手な青年★★★〕

◎(2) 6話 ~7話 午前四時、ささやくように
〔死神と青年★★〕

◎(3) 8話~9話 落下恋文
〔若い大家と売れない作家★★★〕

◎(4) あたりくしはずれなし(9話に含まれます)
〔ノンケのふりした青年とゲイバーに通い出逢いを求める青年のヒトコマ〕

◎(5) 10話~11話 花と手紙
〔顔も見知らぬ男の恋文とやり取りする田舎の花屋の青年★★★★〕


…正に恋文十色、恋愛の色を雰囲気で語っています💗
因みに(1)~(3)作品はそれぞれキャラがカメオ的にリンクしています。
私としては、展開は読めるけど最後の花と手紙の空気感が好きでした。恋愛は始まってもいない感じですが時代を遡った様な…田舎で恋文を心待ちにするピュアな恋模様にノスタルジックを感じました💕

この作家さんの絵に抵抗がなく、『恋のきっかけ』をエロはほぼなしで空気感で読みたい方はどうぞ。



○絵☆☆☆☆
○内容☆☆☆
○Hの傾向 ほぼありません。本番はゼロ。ほんのり絡みがあるものと皆無のものと。
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