SとМの気持ちを丁寧に説明している

SとМのマッチングが制度化された世の中で、会社員のМの男と年下大学生のSの男がマッチング。同棲しながら好みのパートナーにしようとしているうちに恋人同士になるお話。
SМがテーマでありながらも、内容はとてもソフトなもの。このお話でのSМは激しいえちプレイの好みではなく、あくまでも性格的なSとМの相性の話だと思いました。その上で出会った聖司と雅親が、互いのパートナーに求めるものやパートナーとしてのあり方を擦り合わせていく過程が、とても丁寧に描かれていました。
後半、雅親の元カレが出てきてからの話は、特に興味深かったです。Sの加虐心を満たす為に、Мに何をどこまで求めるかという考え方の違いは、いわば愛し方の違いであり、相性の問題だなと思いました。雅親は、デロデロに愛してくれるなら、きっとどこまでも受け入れられたような気がします。支配してるのか、支配させてるのか、そのバランスを見極めようと努力できる聖司は、雅親にはうってつけのパートナーだったんだなと思いました。
SМものが苦手な方にも読みやすい作品です。