悪い男~軒の雨の誘惑~
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悪い男~軒の雨の誘惑~

金城りえ

いやぁ〜凄い!こういう描き方あるんですね

ネタバレ
2024年10月19日
このレビューはネタバレを含みます▼ ちょこっと読んで、魅力的だけれど続きは読まずに数年経過。続刊が出ていてふと読み進めてみたら…ハマりました!
なるほど。こんな描き方があるんですねぇ
部長(主任)との詳細は、芹沢と関係を深めていくストーリーになってから明かされます。
現実と並行して「記憶」として詳細に語られていくという。。
いやはや凄いですね。
これ普通に不倫してました、をリアルタイムで取り乱してワーワーするストーリーよりも胸にグッと来ますね。
清算した後、新しい道を歩み出そうとしてから、徐々に明かされるんですけど
想像と違ってずっとずっと純で真摯で曇っていないんです。
不思議ですけど、主任との方が純愛で誠実で切実さを感じます…
芹沢も苦労して変わったとはいえ軽薄な部分は本来あって、バカで憎めない愛嬌のある奴で癒されるし、たまに頼もしい言葉をくれるけれど。
でも主任の魅力と、重さは堪りませんね。
芹沢が主任に「結婚の決め手」について質問した時に「こうだったら地獄」と表現した内容が、主任のその時そのものを表していて、
芹沢は無邪気で真っ直ぐだからこそ心を抉りますねぇ笑
主任は色々よく我慢できますよね。偉すぎる、この男、出来過ぎる!
まぁ芹沢は悪くないんだけど。
主任の幸せを私も期待してしまいます。
7年経っても色褪せない唯一の愛してくれる人だと愛し続けて、ずっと遠くから定期的に動向を調べて見守っていたわけですよね。
ずっと主任は彼女を守り続けようと画策している…彼女を誰よりも理解したうえで。
芹沢のことも大体わかってる…主任の言葉にも胸が痛んだ。
この人報われないんですかね?
千夏は過去の失敗を清算して新たに歩き出したいと思っているけれど、それも悪くないけど。
東北時代の千夏には芹沢によるブレイカーが必要だったかもしれないけど、芹沢は短絡的だし、主任は遊びどころか本気も本気ですよね…
最初は芹沢派だったのに、今や主任派になってますから不思議!
面白いです!
こんな魅力的な人を放っておくなんてできないという若かりし千夏の言葉通り。
生きてきて何にも成長できないような展開も悲しいですから、千夏が旅立つのは良いのだけれど、
主任と、今度は誰の目も憚らず、激しくかつ繊細に、情熱的にかつ緻密に、以前と別の形を構築して愛を交わす展開も期待しています
なんか過去を読み進めて行くとそう願ってしまう。
面白い描き方です
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