イエスかノーか半分か
」のレビュー

イエスかノーか半分か

一穂ミチ/竹美家らら

辛くて可愛い珍獣を愛で続けたいのわかる。

2024年10月20日
最近の某賞の会見で、とある質問に、話の筋の為にキャラがしなそうなことをさせるくらいなら話の筋が損なわれてもキャラを優先する、のような意味合いの回答をされていたように記憶しているのですが、それを聞いて先生の作品はまさにそうだなと思った次第でして、本当にありがたい。この一連の作品群を読んで何となく感じていたことを、先生自ら言語化して下さり、それです!と思いました。
本編3冊+短編集(って言うくくりでいいのかな)3冊+スピンオフ2冊×2種+‪α‬と膨大なだけにどれでどう思ったとかパッと出てこないのですが、こうなったほうが収まるだろうにと言う流れでそう行かないのが、奇を衒って外したんでなく、そのキャラがそうできないからなんだろうなー、と思わされる。そういう生きた人間の生活を傍から見るような気持ちで見ていました。
こちらを読み始める前のファーストアクセスは、コミカライズの試し読みで、「面白そう!だけど主人公辛過ぎか?」(←多分「愚民」連発のせいww)となってなかなかお会計に至らすカート下で温めまくっていたので、いざ読んでここまで好きになるとは思いもよりませんでした。
第1のメインキャラは、自分と社会の落とし所を理解し、現実的だが謎の方向性の努力をして、十分過ぎるほど実現していきます。第2のメインキャラは、……あっこの先はネタバレか?ギリそうでもないか?手段というか過程が問題だから……第1のがんばりを解って、表と裏を両方愛して、癒すからそのままで、ってします。これが萌えか。
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