珠玉の10巻!





2024年10月23日
お仕事BLと紹介されていたので読んでみましたが、それを遥かに上回る感動を与えてくれる作品でした!TV業界のお話ではありますが、映画を愛していて制作に全てをかけているのは受けの矢野さんだけで、宮坂くんはそんな矢野さんが大好きで一緒に生きたいからお仕事を頑張っています。でも、矢野さんにとっての映画は、思春期に父を亡くしたことによる憤りや悲しみを抱え込み過ぎ、現実から目を背けるようにしがみついてきたようなもので、それが日常と周囲の人を愛し大切に暮らす宮坂くんと過ごすうちに矢野さんにもわかってきます。宮坂くんと一緒にいることで、矢野さんにとって生きることも映画もさらに豊かなものになり、そして宮坂くんと一緒にいたいから必死でよいものを作り続ける努力をする。一見宮坂くんからの一方的ラブのようで、宮坂くんがどれだけ矢野さんに大きなものを与えていて、それを矢野さんがどれだけ大切に思っているかが伝わってきて泣けてきます。そして、仲間から愛されている宮坂くんが、家族を前にすると別人のような顔つきになってしまい、絶望する彼を新しい家族として受け止めてくれる矢野さんや幼馴染の智くんに更に泣かされ…。とても書ききれないほど、胸をぎゅうぎゅう絞ってくるような言葉や絵でいっぱいの作品が10巻もある喜び。私はもう何周したかわかりません。多くが言葉を尽くして語られすぎないからこそ飽きないのかなあ。どうぞこの名作がひとりでも多くの人に読んでもらえますように。

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chippen さん
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aeks さん
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