3月22日、花束を捧げよ
」のレビュー

3月22日、花束を捧げよ

小中大豆/笠井あゆみ

下巻で全てが報われた

ネタバレ
2024年10月23日
このレビューはネタバレを含みます▼ 上巻は正直読んでてきつかったです。恋愛要素はないし、救いもないし、友人が死ぬ度にひたすらループする世界で精神的にどんどん追い詰められていく主役の二人の絶望感だけが伝わってきて気分が落ちました。上巻ではこの主役の二人の性格がどちらも好きになれず、もう諦めて楽になっちゃえよと思いながら読んでましたが、追い詰められすぎて別の方向に振り切った海路が花束の代わりに飛んだところで「お?」と思い、そこからの展開は本当に面白かったです。光一が死を回避した時点であっさり解決して終わるのかと思いきや、わりと終盤まで目が離せない展開が続き、最後は主役の二人がお互いを救いあう納得のエンディングでした。BLとしても良かったけど、純粋に小説として面白いと思います。小中先生、やっぱりすごい。
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