四畳半のいばら姫
」のレビュー

四畳半のいばら姫

佐藤ざくり/吉田夢美

心理描写がリアル

ネタバレ
2024年10月28日
このレビューはネタバレを含みます▼ 男の子の描き方が好みで読んだらはまってしまいました。ネグレクト、異母兄弟、性犯罪…そこから抜け出せない被害者の深層心理が見事に描かれていて、ぐっと胸をつかまれました。自力で生活できない子供達は、どんなにクズ親でも縋って生きていくしかないんですよね。親から愛されてないと認める事はもっと辛いだろうし、周りに相談するのも辛い。(自分さえ我慢すれば)とどん底に突き落とされる。
また、悪人を抹殺してスッキリするところで終わらず、やり方を間違うと逆に逆恨みを買ってしまう危険性をはらんでいると気づかせるところもリアルです。
そんな不幸続きの主人公しんらのたくましさに心動かされ、応援している自分がいます。イケメン達よ、どうかしんらを救ってくれー!と思いながら引き込まれていきました。
イケメン達にもそれぞれに辛い過去があり、明るく生きているように見せていても、みんな何かしら傷を抱えながら生きているんだなと改めて考えさせられました。
ちなみに、ピンチの時に駆けつけてくれて、大事なものをわざと遠ざけてしまう雷が、わたしのイチオシです。あの熱っぽい表情に魅かれてしまいます。
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