キラキラしても、しなくても 分冊版
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キラキラしても、しなくても 分冊版

小池定路

BLと言うには、あまりにも現実に近い同性愛

ネタバレ
2024年10月29日
このレビューはネタバレを含みます▼ の話で、胸がキュッとなって身につまされることもしばしば。中編で終わりかと思ったら、いろんなカプが並行して、ところどころキャラクターたちが交差する。私はどれも好きなカプで全部楽しく読めたけど、どれか一つしか好きじゃないって人には読みにくい構成かもしれない。1話のケイタくんは本当にフツメン設定フツメン顔で描かれている。美形前提のBLにおかれましては、Bサメンと呼ばれてしまうかもしれないギリギリの作画を攻めていて、連載にオッケーを出した編集部と作家さんの間に信頼関係が出来てなければ始まってなかった連載だろうな、と思うとその面でも胸アツ。5話からのしゅう&あまねカプも、美形に生まれた者の悲喜こもごもで、ケイタくんカプの側面というか、美醜に対する別面からの切り口で良い話を描かれるなあ。と共に、幼なじみカプ大好物なので内心大はしゃぎで読みました。ケイタたちカプもめっちゃ良かったけど、しゅうたちカプは更に最高を更新してくるじゃん!!てフンスフンス興奮してたら、悪気なく最悪なアケオで急に冷水を浴びせてくる。冷静になったところで、ヒロキという地雷型爆弾を敷設していく同時展開伏線打法で。もはや恐ろしい程の憎い構成力。最後の収束に向けて、美しく風呂敷をたたんでいかれます。まーでも、アケオとヒロキにはずっとドン引きした(笑)。世の中は良い人だけでできてるわけじゃないし、後の展開には必要な存在でもあるので、私は薄目で許容しました。シズカ氏の気持ちを考えると、どうしても許されないので。シズカ氏のヒロキに向けた「あんたみたいなのは男女関係なく最悪」というニュアンスの言葉は良く刺さった。どれも人間として大事な良い話でした。
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