跪いて愛を乞う ~恋を知らない皇太子は、元婚約者を振り向かせたい~
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跪いて愛を乞う ~恋を知らない皇太子は、元婚約者を振り向かせたい~

桜朱理/稲垣のん

ヒロインはよき。ヒーローはポンコツ

ネタバレ
2024年10月29日
このレビューはネタバレを含みます▼ ヒロインもストーリーもいいのだけど、
一点だけモヤるのが、ヒロインの元婚約者の皇太子ヒーローが現婚約者で皇后として力不足の王女と婚約解消して、ヒロインの領地へ押しかけて求婚したのはいいけど、そのセリフがどうしても納得いかない。
ここは繊細で大事な場面だから、丁寧に書いてほしかった。
結局、力不足の婚約者の王女と向き合ったわけではなく、運よく自分が先にフラれて自由になれたから思い切って求婚にこれただけでしょ。
皇太子自身が波風立てても周囲と折り合いをつけて、
必死にヒロインを選んだわけじゃないのよ。
ヒロインでなければダメという熱さが伝わってこない。
反対されたらまたすぐに諦めたと思うわ。
皇太子はなんにも失ってないし頑張ってないからね。
そこはまず皇太子から気まずくても王女と向き合って、彼女が皇后として力不足なことをきちんと伝える描写がほしかった。
その後で王女が優しい男に救いを求める流れならわかる。だけど、実際は皇后として力不足の王女にさえフラれた情けない皇太子を、その皇太子にさんざん傷つけられたヒロインが引き取る形にしか見えなくて嫌だった。
一番大事な求婚の場面のセリフとしては詰めが甘いわ。
ヒロインがあんな求婚でいいなら仕方ないけど、
皇太子が2年頑張ったくらいで褒めたくないわ。
ヒロインはその何倍の年数を努力して我慢して、
無視され傷つけられ、無駄にされてきたのだから。
求婚前の肝心な部分をなんにも自分で頑張らず運とヒロインの寛大さだけで乗り越えた皇太子だもの、この先、政治的に必要なら惻妃を何人でも娶るのでは。
せめて求婚のセリフが違ったら星4だったかな。
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