或るシカリオの愛
」のレビュー

或るシカリオの愛

砂原糖子/稲荷家房之介

架空の国とは思えない

ネタバレ
2024年10月30日
このレビューはネタバレを含みます▼ 底抜けに明るく陽気な国で、脛に傷を持つ二人が出逢ってしまった。世界の醜さや哀しみも痛みも苦しみも溢れるほどの辛さをも知ってしまい、幸せと呼べる物を持たない者同士が等価交換するかのごとく少しずつ、少しずつ『自分』を差し出す様はヒリヒリするほどの痛みが伝わってくる。生きる意味を見失っていた者がお互いの存在を唯一無二と認めるようになれて、本当に良かった。
いいねしたユーザ1人
レビューをシェアしよう!