なつのロケット
」のレビュー

なつのロケット

あさりよしとお

いいの?という話が繰り広げられて

ネタバレ
2024年11月6日
このレビューはネタバレを含みます▼ まず加担する大人が二人も居て、外野に収まっていない。三浦の登場、判らぬでもないが、余計にストーリーはストレスを溜め込む。
焚きつける者が先生から新顔に変わるだけ。
「本物のロケット」作りがまず有りきなのがありありで、ドラマ性はロケット作りの読み手に少々説明色を加えてはみた、程度。
何かと、爆発物製造に関わる割には無防備過ぎよう。
子供じみたやりとりとそれにそぐわぬ大人びた達観、それらも読んでいてバランスがとりにくかったかな。
主人公達のまわりの情熱もあるのかないのか視覚的に微妙な場面多くて、しかし秘めたる?なのか。主人公の熱さはよいが上滑りが読んでる方が小っ恥ずかしい。

弟が中学生になったばかりの頃、クラスメートらがペンのキャップを飛ばす真摯な実験を校舎でおこない、ちょっと騒ぎとなった。文屋の大人は当人達の真剣さを汲もうとせず危ないコトをしでかす困った子らと見た。彼らはその後どうしたろう。爆発する物を作るということはやばいことと確かに隣り合わせではある。しかしその好奇心と実行力は大したものだと、私はこどもながらに大いに感心したものだ。野田氏やあさり氏のいう「本物のロケット」ではないにせよ。
川端氏から最後アサリ先生まで、一連のあとがきを読んでいくと、やはりこの作品の想定読者設定の難しさ、前提としているキャラ達の年齢設定、ズレを感じてしまう。誰に届かせるために誰を描いたのか、又はあくまで添え物であって、ロケットを作らせるために一番面白く思われそうになる知識インプット層を出したのか?
純粋に漫画として100%楽しめず、しかし科学読み物としてなら引っ張る力となったロケット作りの引力、私のほうはレビュー上の「星」付けするのが実に難しいところだ。

フィクションはあくまでフィクション、どう描こうと作家の手の内。
但しそこに漫画として、それもストーリー漫画の性格を帯びることも期待された作品として、もう少し
自然なところ、リアリティを感じさせるところ、欲しかったと私は思う。
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