ゲームの世界に転生した俺が○○になるまで
」のレビュー

ゲームの世界に転生した俺が○○になるまで

藤原チワ子/しまエナガ

作り込まれた世界観で多方面から楽しめる

ネタバレ
2024年11月6日
このレビューはネタバレを含みます▼ 3巻まで読みました。配信中となっていますが、おそらく(あとがきの雰囲気からしても)完結しています。そういう意味では、完結してから読みたい派の人も大丈夫だと思います。
内容的には、色んな意味で好みが分かれる気がします。1)ゲームの世界観。2)癖の問題(受け攻めが予想と逆になる人がいそうな気がします)。3)独特な文体やキャラ・展開のノリ。4)明るく軽いノリと凄惨な現実とのギャップというか乖離?が、とにかく激しい。などがあります。
特に1)ゲームの世界観については、アイテムから設定まで懇切丁寧に説明されているのですが…それでも私のように慣れていない人には完璧に理解するのは難しいと思います。それでもグイグイ引き込まれる面白さがありました。4)については、とにかく落差が激しいです。ノリの軽さならパリピっぼい時もあるのに、人の生死や闇の部分では、恐ろしく凄惨で◯畜じみた世界を見せられました。あとがきを読むと「当初より悲劇的な展開を抑えた」と仰っていますが、感覚の違いですかね。私にはなかなか重くて、胸糞悪いセリフや行動がまぁまぁな頻度でありました。
あとは、タイトルの付け方が面白いなと思いました。私はずっと「◯◯」には色々当てはまるのだと思って読んでいました。例えば「恋人」「家族」「夫婦(夫)」、ゲーム方面に走るなら「勇者」とか。あとがきで、作者さんとしては決まったワードがあったと分かりますので、「◯◯」に何が当てはまるか考えながら読むのも楽しいかもしれません。
ゲームの世界観としては面白く、死生観としては転生から輪廻を思い起こされて、ゲームの世界を俯瞰して見る高次元のエネルギー体などは、神とは別の更に上の存在があるという宇宙の真理について聞いているみたいで興味深く読みました。
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