屋根裏部屋の公爵夫人
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屋根裏部屋の公爵夫人

林マキ/もり/アオイ冬子

新章も続きが気になる

ネタバレ
2024年11月9日
このレビューはネタバレを含みます▼ 逆境に負けないオパールの頭の良さと行動力が痛快です。以前は身分差で結婚相手の候補にもなれなかったクロードが新章のタイセイ王国では立場逆転、オパールの方が過去の結婚歴や醜聞や年齢を理由に条件の悪い婚約者として扱われます。でも二人とも、きっと困難に真正面から立ち向かって幸せを掴むのだろうと思わせるバイタリティがあります。
私は意地悪キャラのステラが一番の被害者に思えます。ヒューバートもステラも現実から隔離された環境で成長しました。ステラの母は娘の病気を公爵家で暮らす口実にしています。ヒューバートにしてもただ可愛がるだけで、積極的に病気を治してあげたいと奔走する事は無かったようです。自分以外の男性がいない世界で育てばいつかはお嫁さんと願うのは当然だし、自分が妻に迎える気が無いなら尚更考えてあげるべきでした。その上、ヒューバートにはステラ母娘を不自由なく養う財力はもうありませんでした。あのままでは病気を抱えて路頭に迷う未来が待っていたと思います。現状維持のぬるま湯から引き上げて最新の医療に繋げたのはオパールです。皮肉にも、現実のステラの為になる行動を起こしたのはオパールだけだったのでした。
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