玉響
」のレビュー

玉響

ゆき林檎

BLにのめり込むきっかけです

ネタバレ
2024年11月10日
このレビューはネタバレを含みます▼ BLを深く愛することになったきっかけの作品が数作あり、そのうちの1つです。
ゆき林檎先生の繊細で綺麗な作画、表情やストーリーが大好きです。
出自や突きつけられた情事から幼心に蓋をし、数年経って潔癖のような拒否反応、嫌悪感を抱える麻倉。見た目が中性的でめちゃ好きです。
色恋への潔癖とは裏腹に、自分の柔らかい部分を侵食されるような様子のモラトリアム感が刺さってくらくらします。
同性同士かつ時代背景ゆえ、切ない展開です。
なんと言っても後日談が好きです。
玉響とはほんの一瞬の煌めきだそうですね。期間はきっと長くはなかったのでしょうが彼らのみぞ知る日々はさぞ穏やかで幸福に満ちたことでしょう。最初から最後までハッピーエンド!ではなくて、ままならない事に抗っていく様、死生観を揺るがす出来事が起き好きなものを好きだと言えない時代に自分の意思を通し一緒になる事、幸せにならないものもいる背徳感を抱え、愛しくもきっと鮮烈な日々を想像し読了感とともに玉響が聞こえるような余韻が残ります。
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