そんな激情で殴られたい【単行本版（シーモア限定描き下ろし＆特典付き）】
紫比呂
このレビューはネタバレを含みます▼
子どものとき、押さえつけたり、自分の思うようにさせるために暴力でコントロールしようとするのは、後の影響をかんがない愚かなことだ。人権意識も低い。
暴力の連鎖。
ゲイであることを、拒絶された思春期。気持ち悪い自分だと暗示をかけ続ける。
片や、本人は、なんでだかわからないがサンドバッグにされる高校生時代。怒りは性欲にかえ、妄想で生き延びた。
虚勢をはり、暴力で身を守る後輩の願望を解ってしまったのだろう。
こじ開けられた。開けて、自分のものにしたかった。
寂しさを払拭することができずに年齢だけは、大人になる。
理不尽なことへの、自分を受け入れる機会を奪ったことへの、怒りを昇華する。
この2人でしか昇華できないだろうな。
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