気難しい王子に捧げる寓話
」のレビュー

気難しい王子に捧げる寓話

小中大豆/笠井あゆみ

BLジャンルにしておくのがもったいない

ネタバレ
2024年11月11日
このレビューはネタバレを含みます▼ 横暴なわがまま王子がある出来事をきっかけに本来の【王】の資質を取り戻し成長していく…そこに王家に伝わる伝説や国家を動かす諸侯たちの思惑、後宮内の勢力争いもあって。重厚なストーリーに引き込まれました。ラストは小中先生らしく、みんなが幸せになる。オズワルドの方が先に逝き、エセルが見送るんですね。そのシーンの描写はないのに、深く余韻が残りました。脇を固める出演者の描き方が見事すぎます!2人が愛し合うシーンは一晩だけですが、その後オズワルドは関係持ってた女たちとは縁切ったのかな。そこは触れられてませんが、そうであったらいいな。笠井先生のイラストも美しくて…可憐なバラの刻印を持つ王太子エセル、腹黒オズワルドの表情がイイ!扉絵のもう1人の男性は?と思ったら、マルジンでしたか。マルジンのエセルへの想いも尊い。読んでよかった!深夜に読み始めて眠くなったらやめようと思ってたのに、ページをめくる手が止められず朝まで一気に読み通しました。
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