ないまぜな熱情【単行本版】
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ないまぜな熱情【単行本版】

沖田有帆

矢印はあればあるだけいい

ネタバレ
2024年11月12日
このレビューはネタバレを含みます▼ 相手に向ける感情の名前が多すぎてぐちゃぐちゃに絡まっている人が好きです。恋や兄弟愛だけじゃない、表裏一体の憎悪すら抱えて相手に執着する、ないまぜの熱情に焦がれる様子を、攻めの絢人さんと受けの伊織さん、両者の視点から拝むことができます。ないまぜになりすぎて自分でも自分が整理できていなかった伊織さんが、絢人さんとぶつかったり話したりしながら一つずつ分かっていく過程が、すごく人間らしくていい。個人的には絢人さんより伊織さんの方がヤバいじゃんって思いながら読み終えました。
最初は読者としては、二人のことが全く分からないまま読み始めるので、義弟も怖いが義兄もそこはかとなく危ない気配がする…と怯えながら読み進めるのですが、中盤絢人さんがデレ始めた辺りからの可愛い攻め萌えが脳天劈いてきます。そしてそれをマッハで追い抜いていくラストのわがまま魔性受け。結果、どちらも怖いし危ないけど、二人でやってる分には可愛いからOKです、になってしまう。この義兄にしてこの義弟あり、という感じです。割れ鍋に綴じ蓋とも言う。絢人さん、精神的に若干マゾが入ってませんか?あと他のツッコミどころは不問にするにしても、流石に人様の家の窓は割るな!!!あのシーン景気よくて大笑いしてしまいました。大好き。
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