親愛なるジーンへ 2(特装版)
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親愛なるジーンへ 2(特装版)

吾妻香夜

これからBLになるかもしれない物語

ネタバレ
2024年11月12日
このレビューはネタバレを含みます▼ ストーリーは☆5、BLとしては☆3.5。
トレヴァーはジーンに救われて、恋をして、ジーンに何かをしてあげたとも想いが報われたいとも思っていないのは分かる。けど、トレヴァー視点で進む物語を読んでトレヴァーに感情移入して報われて欲しいと思ってしまった時点で私はこの物語は完璧なハッピーエンドには思えなかった。それに2人は体の関係はあったけど、最初から最後までジーンの愛は親愛で、恋をしていたのはトレヴァーだけに見えた。だって対等な関係じゃなかったし、他の人を知る権利もあるってトレヴァーは関係を終わらせたけど、ジーンから連絡をとったり、復縁をするのは全然OKだったわけじゃん?!なのに一切連絡無しな上に甥ジーンが世話を焼かなきゃこれからも会うつもり無かったぽい。だけど、偶然トレヴァーに会って引き留められたら今度はいきなりずっと一緒にいるつもりって言う。でもトレヴァーへの気持ちは分からない。結局何なの?!16年前も今もジーンの気持ちが全然分からない。もしBL(恋愛物語)とするなら、タイトルが意味をなさなくなると分かってても、5〜6年の内にジーンからトレヴァーの元に帰ってきて欲しかったし、大切な人と思うなら少しでも連絡をして欲しかった。私は、2人の本当の恋愛は2巻のラストからがスタートで、この物語のカテゴリーは「これからBLになるかもしれない2人のヒューマンドラマ」だと思う。それに正直、これから恋人になるかも怪しい。甥ジーンはゆっくり考えればいいと言ったけど、トレヴァーは既に50代だし、ジーンは考える時間がまだあっても時間をかけ過ぎたらトレヴァーは直ぐに老いちゃう。それにトレヴァーを大切な人だと思っているのに、この16年トレヴァーに対する気持ちを全く考えてなかった時点でこの先何年経とうと恋人にはならないでしょ。ずっと一緒にいると言っても家族愛止まりだと思う。
素晴らしい2人の物語だったけど、性描写があるだけでBL未満に思えたこの物語はトレヴァーに報われて欲しいと勝手に思ってる私からするとあまりに一方通行で切ない物語だった。BLだと言われるとモヤモヤする。いつか、ジーンがトレヴァーの愛の深さを知る日が来るのかな。
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