このレビューはネタバレを含みます▼
作者買い。あとがきによると作者様四年ぶりの単行本、体調くずされていたとのことで、無事に作品拝見できてよかったです。
攻めの御堂も受けの籠目も人に見られて興奮する性癖を持つという、エロ展開にはもってこいな設定。攻めと受けの性癖が同じということで、先生の作品でよくみかける、受けを溺愛してるようで、そのくせ好き放題やってるやや頭のおかしな攻め、というのとはちょっと味わいが違い、御堂は強引ではあるが、籠目が自覚のある変態だから、御堂からされる羞恥プレイを喜んでるというWin-Winで、ある意味平和な展開。
この性癖設定をもっと爆発させてほしかったかな。エロいのに、なんか薄味?上司と部下の設定も生かしきれていなかったかも。
先生の作品で私が大好きなのが、ボディと絡み。本作でも魅力は健在。筋肉感がほどよく、どんな体勢のときでもバランスが崩れることがなく、線に色気がある。P106のバックからの攻め方とか、P126のパンツをぐいっとやるあの指の書き方とアングルとか最高だし、キスシーンはどれもねっとりしててたまらない。籠目の首筋にほくろがあって、そこを御堂が要所要所で舐めたりキスしたり咬んだりするのもそそられる描写だった。また、今回攻めの目の書き方が他作品とは違ってたかな?攻めと受けの顔をちゃんと書き分ける工夫をされる作家様好き。欲を言えば、あとがきでも先生が、当初はもっと変態プレイを入れるはずだったと言っていたように、もっと変態に振り切ってくれてもよかったなということ。スリルを味わうのが好きなカップルの割には、BL的にはさほどやばいこともなく、結局籠目はめちゃめちゃにもされておらず、既視感のあるプレイというか、もうちょい創意工夫のある変態さを見たかった。いや、これで物足りないのは、むしろ私がいろいろ麻痺してる変態だからなのかもしれないけれど。
あと、受けの「にゃ、あ!!」には、ちょっと笑ってしまった。
最後の書き下ろしは、もうひとエロ展開あるのかと思いきや、あらここで終わりか~なお話で、ちょっと寂しい。でも、魚先生のコンプラにとらわれすぎないひたすらエロいエロと、どんなときでも指の先まで丁寧に描かれた、こう、なんかぐぐっとしっかり腰の入った絡みはやはり好きだし、終始コメディで、濡れ場盛り沢山で読んでよかった。先生ずっと元気でいてくださいと願うばかり。また新作楽しみにしてます。