十次と亞一
」のレビュー

十次と亞一

コドモペーパー

一緒に人生を共に出来る1冊

ネタバレ
2024年11月19日
このレビューはネタバレを含みます▼ 「隠れていた 右のポケットに 僕の罪が」出だしから興味深く引き込まれる。十次の人柄や視野の広さ、柔軟な思考と亞一への歪な共振…このキャラ設定がすごい。初見の時は、優しさと賢さ故に亞一を否定せず伸びやかに彼を動かし創作意欲を謳歌してるように感じていたけど、作家人生が枯渇してしまいそうな程 亞一に魅せられてどんどん侵食していってるところも見えて好き。
でっかい赤ちゃん亞一の幼い純粋さと無垢な非常さが胸にくる。彼の半生に思いを馳せながら、亞一の中の止まら物語や譲れない矜恃、葛藤と矛盾と不器用な生き方に並々ならぬ母性が弾けます。
「亞」の中に「十」がピッタリはまるように、2人の不思議な共鳴と育む時間が緩やかに癒しをくれて好き。
通勤時に読んだり、旅先で読んだり、寝る前に読んだり…と、私の気持ちと思考を整えてくれる好きな作品。これからも何年経ってもふとした時に読むと思う。
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