僕は今すぐ前世の記憶を捨てたい。~憧れの田舎は人外魔境でした~@COMIC
大島つむぎ/星畑旭/スズキイオリ
このレビューはネタバレを含みます▼
これめっちゃいい。たまたまた新作で出ていたので読んだらツボにハマって勢いで全巻購入してしまった。そのぐらい面白い。こういうのが読みたかった。
一言で言えば、異世界版「現代ローファンタジーもの」田舎暮らしのスローライフを
異世界の「日本の田舎」で表現した物語。主人公の名も無き青年は、社畜だったのだが過労死によって死亡。生まれ変わったのは、地球にそっくりな異世界の地球で日本。
杉山空(3歳)として生まれ変わる。優しい父と母、そして兄と姉、双子の弟である
りくと家族に囲まれて生活。ところが生まれつき体が弱く一年中寝たきりの生活が続いていた。そしてその原因は魔力欠乏症によって魔素の少ない都会では生活が出来ない事が判明。
両親の苦渋の決断により母の田舎で空だけ暮らす事になる。ただ問題はその「田舎」が普通の田舎ではなく第一級危険区域の指定を受けた人外魔境だったということ。
イカつい祖父と優しい美人の祖母に家守から家守神の「ヤナちゃん」(2巻から登場)との生活が始まる。という内容。とにかくキャラが可愛く、親しみの持てる絵柄であること。ストーリーがシンプルで分かりやすく、重い部分もあるはずなのに上手にサラッと読めるような工夫がなされている。何よりも特筆すべき部分は、安易に恋愛を絡めたり、俺TUEEEE!!にしていないところ。家族の絆、田舎暮らしの良さ、そして素朴で優しい(寛容な)人々との人間関係。これらにフォーカスして描いている部分がこの作品の美点とも言える。
現代生活の中に異世界成分が入るローファンタジー物として優れており、アニメ化もしやそうそうに感じる作品だ。ただ惜しむらくは、現在3巻でもう少し多く巻が出てから知りたかったのこと。主人公・空が青年ぐらいまで(せめて小中学生まで)成長した処まで続けて欲しいという部分。まだストーリーは始まったばかりだが、この作品のロングセラー化を心から願うと同時に原作者、キャラ原案、作画担当の方々に出来るだけ長く続けて欲しいと心から願う。
和み系ローファンタジーの好きな方は一押ししたい。
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