寅野探偵事務所へようこそ
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黒井よだか

纏まるのを待っていた作品

ネタバレ
2024年11月20日
このレビューはネタバレを含みます▼ 以前、単話の1話を読んだことがあり、そのときから単行本になるのを待っていた作品。


幼いころに両親を亡くし、目付きの悪さも相まって良好な人間関係を築くのが難しかった快晴は不運が重なって職なし金なし宿なしとなり、偶然見つけた住み込み可の求人が慈雨の探偵事務所だった。

虎の獣人の慈雨は亡き姉の一人娘である結を引き取っていて、料理が苦手な慈雨にとって家事のできる快晴は渡りに船な人材。慈雨が人探し専門の探偵なのは張り込み必須の浮気調査とかできないからかな。

快晴と慈雨が恋愛モードに入るのが割と早めで少し驚いたけれど、快晴がそちら方面に疎いことや、他人との濃密な人間関係に慣れていなかったことを考えると可愛い結の存在や無愛想に見えて誠実な慈雨と接することで親愛の情から恋愛になるのは自然なことに思え、そこに探偵の仕事で性的な接触をしてしまえば意識するなというのが無理な話。


慈雨と快晴が想いを告げあったあとも探偵の仕事や結の父親の話、過去の依頼人との関わりなど、恋愛だけでない部分もきちんと描かれ、上下巻をあっという間に読み終わってしまった。

ここで綺麗に纏まっているけれど、できることなら続編が見たい。
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