発達障害なわたしたち
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発達障害なわたしたち

町田粥

非常に勉強になった

ネタバレ
2024年11月21日
このレビューはネタバレを含みます▼ フィーヤンの名物編集者のK成さんが出てくる別作品を読んだことがあり、そちらは食べ放題系のコミックだったので、K成さんの大食いっぷりと漫画家さんたちとの交流を楽しむことができました。
以前にコミックニュースでフィーヤン編集部の責任者の方のインタビューがあり、そこでもK成さんの話題が出ていたので、実際の彼女は作中以上に有能な方だと思います。
そんな優秀な編集者でも発達障害と診断されることには少し驚きました。その一方で「たしかに自分の周りにもそういう雰囲気の人は多いな」とも感じます。
作中では人口の7~8%くらいが発達障害とのことですが、私の実感では20~30%くらいに思います。
この作品では発達障害の人たちの考えが描かれていましたが、逆にその周りの人たちにもコメントがほしかったです。
発達障害の人が「これはできません」といえる環境は素晴らしく、それに協力する周囲の人たちは対応力が優れていると思います。
ただ、それはお互いに恵まれている状態であり、一方が「これはできない」「他の人にお任せします」となれば、代わりにそれを引き受けざるを得ない人が出てきて、負担の平等性に欠けるパターンもあるのではないかと。
できない、やらないことを許容される人がいる中、いわゆる一般的な人に仕事が集中した場合、今度はその一般的な人がバランスを崩すと思います。
一般的な人が「これはできません」という場合、発達障害の人がどのように受け入れるか、逆のパターンもぜひ読んでみたかったです。
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