このレビューはネタバレを含みます▼
山中先生の2冊目のコミックス。
表題作と短編1本。どちらも「奴隷」が出てくる。
表題作の「奴隷」は文字通り。祖父の借金を返す中で海外に売られ、中東のとある国の王子に買われた。
兄に逆らえない弟。逆らうことは罪。
プライドだけ高く傍若無人な兄王子に、子どもの頃から気まぐれ、やっかみで何でも取られていた。
今度は最愛の人も。
日本に帰りたかった鈴木。兄に召し上げられる前に大使館に引き渡された。
大事に大事にした鈴木を、兄に逆らってまで渡したくなかった。
もう、会えないのかなって思ったら、描き下ろし?での描写は少し救われた。
短編は、やり手社長と壺を割ったことで、「奴隷化」された青年の話。
全てを捨て、思い出だけ残そうとする社長。
嫌いだったけれど、嫌いになれなかった。
2つとも、お金があっても、満たされないことがある。
安らぎや癒し、支えが必要なことが示唆されているような。
山中先生、初期から胸にドーンとくるようなお話描いていたんですね。
エチは、直接描写はなし。