このレビューはネタバレを含みます▼
無料のマンガを読み漁っている時に偶然出会いました。今まで読んだ中で1番すきなマンガかもしれません。最新巻だけでなく全巻買いしたいと思っています。
元アイドルのアラサーがひきこもりニートになりかけていたところを、姉に地元の田舎へ連れ戻されるというところから始まります。田舎で出会った隣人のイケメン高校生は主人公のアラサーとは思えない可愛すぎる見た目に「登校拒否の中学生」だと勘違いをしてしまいます。それから一緒に川遊びをしたり畑仕事をしたりしているうちに……アイドルを定年退職した主人公のリアル、一番下の妹と同い年の高校生と恋愛すること。その恋愛によりぶつかる姉妹。アイドルグループへの未練が捨てきれず、現メンバーに助けを求められたらすぐに東京へ飛んでいく主人公。そしてそれを心配する彼氏。元アイドルと高校生という異色の恋愛が楽しめるので、まだ読んでいない方無料のうちにとりあえず読んでみてください‼絶対に満足できるかと思います。ではここからは私が個人的にこの作品の好きなところをネタバレありまくりで語っていきたいと思います。
直人が勘違いにより年上好きだったはずなのに年下好きになってしまった…と悶々とするのも、それが昔出会ったお姉さんである七海のせいだった、と気づくのも胸きゅんすぎて私が悶々としてしまいました。舞台が田舎で、背景が畑だからこその「エモい」恋愛が際立っていて毎ページ素敵だなあと思います。タイトルの「ふつうのおんなのこ」というのが読み進めていくうちにすごく考えさせられるものになっていくのがわかります。夜間部の大学に30歳で入学した七海が出会った葉月という女性も、「ふつうのおんなのこ」に戻りたがっていました。アイドルへの未練が断ち切れない七海も「ふつうのおんなのこ」にはもう戻れない。葉月はパパ活、整形という形で「ふつう」ではなくなってしまっていたのです。絵が本当に綺麗なのも相まって葉月が七海に向ける歪んだ感情や直人と七海の恋愛が対比されて際立っているような気がします。きゅんきゅんさせられるだけではなく、アイドルのリアルや「ふつう」について考えさせられる作品だと思います。長くなりましたが、本当にこの作品が大好きです。