このレビューはネタバレを含みます▼
実写化の話題で気になり試しに2巻まで買い、ダンスの表現や色気、ダンスを通して惹かれていく2人の心理描写が素敵過ぎたのですぐに7巻まで一気読みしました。そして7巻で膝から崩れ落ちました。あれ程男性相手の恋愛、性愛に二の足を踏んだ鈴木が失恋の逃避とは言えあっさり他の男と身体の関係を持つなんて…それも何度も。深夜の秘密特訓で踊り明かし、互いにダンスも人としても惹かれ合ったあの日々はなんだったんだろう?と呆然。これは私のセクシャリティの問題なのか…貞操観が違いすぎるのか…あまりにもショックでトラウマ作品になりました。この事実を恐らくいつかは杉木が知ると思うと胸が潰れそう。杉木も女性との関係はあるようですが(あと富豪男性たちとのカード遊びにマックスが杉木を賭けて負け結局男性相手に身体を売らされたのかハッキリしない謎のコマもありましたが…)2人にとっては互いが男であることが足枷ではなかったのか?鈴木がまた女性と遊ぶようになったのであれば女性だけを恋愛対象にしてきた以前の自分に戻ろうと、失恋を忘れようと必死なんだという筋が通ったように思うが、逃避先が男(しかもヘテロで新しい師匠)なのが衝撃です。確かに身体の関係は杉木側が無理だった訳ですが(鈴木の確かめ方は酷かった)だからといってそんな簡単に他の男にも欲情できてしまうの?と。彼は結局素晴らしいダンスを踊る男なら誰でも性愛対象になり得たのでは?と思えて、7巻での杉木を探す鈴木の姿にも、新しい師匠とすぐセ◯レになったくせに一途ぶらないで欲しいなって思ったし…最初の巻の頃のようなドキドキ感は消え失せ冷めた目で読みました。恋愛の汚さによって本筋のダンサーとしての輝きが見えなくなったような感覚があります。
もはや鈴木は恋愛でもダンスでも杉木を痛めつける存在にしかならないのでは?2人の恋がいつか実っても果たして良かったと思えるのか?この先のダンス対決を心から楽しんで見届けられるか?と考えたら、あまりにダンス以外のノイズが大きすぎて自分には無理そうです。なにより、自分の中で鈴木のダンスとキャラクター性に魅力を感じなくなってしまいました…。一応巻末で作者さんもこの件には触れてらっしゃるのですが、作品として必要なピースであり、ただ単に自分が読者層に入っていなかった作品なようなので、私はここで断念します。レビューを先にもっと確認すべきだったと今は後悔しています。