后宮のオメガ
」のレビュー

后宮のオメガ

露久ふみ

心地良いテンポと展開がSo good!

ネタバレ
2024年12月1日
このレビューはネタバレを含みます▼ 一気呵成に攻め落とされました。万雷の拍手を送りたい。
上下巻完結で簡潔(駄洒落ではありません)且つストレートに心に響く感動作でした。ボリューム・読み応え・画の美しさの三拍子揃った作品で非常に読み易く面白かったです。

出逢いは政略結婚だとしても、磁石のように惹かれあったα少年王ハーリドとΩ王后イリヤ。王となるべくして生まれ、幼いながらも民を率いるカリスマ性と才覚を持ち合わせているハーリドと聡明で怜悧な美貌を持つイリヤ。二人の幸せな未来を阻むような陰謀に翻弄されるも、国や民を想う強い心が8年の時を越え互いを引き合わす。ハヌ国ではラタテ神の現身とされる国王とラタテ神の御使いとされるΩ。民を救う為に突き動かされるイリヤの姿はギリシャ神話の勝利の神ニケのように感じました。
上下巻共にハーリドがイリヤに告白する場面があり、どちらも心ときめきましたが下巻は互いの誓いもあり、成長したハーリドとの情熱的な番いがありますので、のぼせに注意です。上巻ではイリヤがハーリドに『俺の小さな王様』と言っていたのが下巻番後には『俺の愛しい王様』に表現が変わっていたのには響きました。イリヤに忠誠を尽くした侍女長スゥヤと愛虎タルジュ(虎はラタテ神の随獣とされ結婚当初にハーリドがイリヤに贈った)にも惜しみない拍手を。
いいねしたユーザ2人
レビューをシェアしよう!