便利屋アズマは星を数えない
」のレビュー

便利屋アズマは星を数えない

一樹らい

表紙の子はアズマではありません

2024年12月3日
☆が足りない。。自分の中ではオススメできるというのが☆5個なんですけど、この作品は、☆だと10個に相当するような感覚ですね。
ストーリーが緻密で、無理矢理の飛躍もなければこれぐらい察しての省略もない。助演に至るまで全ての人物と主人公たちの会話がのちの台詞にきちんと反映され、なぜそう思うに至ったか読み手に疑う余地を与えないところが先ず、爽快です。
かといって主人公に自我がなくて言われたまま動くような単純なキャラクタでは決してなくて、彼らの思いや内面の葛藤を、反芻しながら対話しながら行動に移しながらと、安易にモノローグ説明に走ることなく、きちんと絵としてこちら側に伝えてくる。

東くんが大学生とは思えないぐらい器の大きい子でどこかぬけてるところもあり、彼自身の生き方の形成も納得いく形でちゃんと描かれているので、惚れるとか嵌まるとかとは別の意味でこの東くんに惹きつけられました。
この作品全体(少なくともここの1巻目)は、柊月くんの意識の変化を齎した出会いやきっかけ、自分自身と向き合うまでの東くんとのやり取りが描かれているのでほぼ柊月くんの語りですが、無表情でファクトばかり放つこの柊月くんがまた愛しい。
台詞一つ一つにしても誇張された感じがないばかりか、読み手に同意を求めるような断定的口調でもないのに痛いほどその人物の言葉が突き刺さってくる。作者さんの鋭い観察眼あってのことだと思わされるところです。
うだうだと綴りましたが繊細なストーリー、大人びてなくても人間の本質を見抜くようなキャラ、影響しあって成長していく人たちの恋模様が見たい方は是非!お手にとっていただきたい。
便利屋の依頼サイトも面白かったです✉😉
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