イグナートの花嫁【単行本版(シーモア限定描き下ろし&特典付き)】
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イグナートの花嫁【単行本版(シーモア限定描き下ろし&特典付き)】

もりもより

繊細で優しくて儚い

ネタバレ
2024年12月6日
このレビューはネタバレを含みます▼ レビューや書籍紹介を読み、興味を持って購入しました。
初読みの作家さんです。

人間の少年・リタと、竜と人間のミックス・イグナート。
共に家族の愛と深い孤独・喪失体験を持つ二人が出会い、しずかにじっくり・じんわりと、信頼関係と愛を育てていく物語のように感じますが、1巻では完結しておらず、性的な関係もありません。
また、「竜の体の一部を肉体に取り込み、体を竜に近づける」という『竜化』が、物語進行の鍵の一つになっており、これが成功するのか、それとも失敗に終わるのか、1巻ではまだまったく分かりません。
リタもイグナートも、心の深い部分に哀しさや孤独を抱えていますが、だからなのか、笑顔もどこか泣き顔のように見えて、とても繊細で儚い。
だけどそれがいっそうリタとイグナートの持つ美しさを際立たせていて、眩しくも見える。
二人の抱える孤独を思うと、ハッピーエンドを願わずにいられないです。
2巻からの二人にどんな運命が待ち受けているのか、とても楽しみ。
じっくり・じんわりと関係が築かれていく作品が好きな方、人外ものが好きな方、性的な描写以外も大事にしたい方におすすめの作品です。
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