長浜To Be,or Not To Be[コミックス版]
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長浜To Be,or Not To Be[コミックス版]

スカーレット・ベリ子

ここには、理想の姿がある。

ネタバレ
2024年12月10日
このレビューはネタバレを含みます▼ 先生のオールカラー新刊を読む前に、久し振りで読み返したこの作品は、日本の何処にでも存在する海辺の町に住む幼馴染みで同級生の二人、ナギサとイッサの物語。ザ青春ですが、ヒリヒリする若い痛さはなく、人生を生きていく糧をすでにきちんと決めた二人の、こそばゆい程の愛。とにかく、この二人。確かな友情としっかりした愛情に、まだ性愛に至っていない初心な二人。夢あり、惜しみない若さあり、充分な時間ありの、今が一番楽しい幸せ盛り。時と云うのはあっという間に過ぎ去り、楽しい事を思い返す事は出来ても、取り戻す事は不可能な狭間で、絵面からも分かる通り、キラキラした空気感での二人は、この先もこの地で生きていくはず。又、そうあってほしい。夜明けのコーヒーならぬ、朝食に一緒に鮭を食べないかのお誘いには笑った。私はアジ派ですけどね〜。
都会のように何でもあるけれど、カツカツした飢え感や欠乏を体験する事無く、潮の香りと潮風を背景に、ただただ目の前の雄大な海と豊かな食材を宝物と感じ取れる二人の純粋な心。田舎と呼べる古里のない私には、何とも羨ましい図。結局、生まれ落ち育んでくれた古里で生きられるのが、一番なんだろうなぁ。
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