【電子限定書き下ろし短編付き】転生悪役令息は英雄の義弟アルファに溺愛されています
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【電子限定書き下ろし短編付き】転生悪役令息は英雄の義弟アルファに溺愛されています

滝沢晴/木村タケトキ

あんなギリギリで勇者をやる人を初めて見た

2024年12月10日
『保育士は獅子親子に愛される』が面白く、『守銭奴騎士が俺を泣かせようとしています』を漫画で読んでいます。こちらの作品もレビュー数の多さと評価の高さから期待はしていましたが、予想以上でした。人間関係や愛情面では複雑で真剣な心理描写の掘り下げがあり、異世界とファンタジーの設定を適度に利用した煩雑すぎない展開、両方のさじ加減が絶妙でした。
文武に秀でる英雄でスパダリのセオドア(弟)×愛すべき鈍感公子のサミュエル(兄)の華麗なるシンデレラストーリーかと思いきや…暴動手前の乱闘騒ぎも、王族への脅迫まがいの要求も辞さない義兄至上主義のセオドアのおかげで、王道の溺愛ラブストーリーが思いがけず高いレベルで楽しめました。一歩間違えば反逆者になりかねない、あんなギリギリで勇者をこなす人物は見たことがなくて、次は何をやらかすか…ワクワク感が増すばかりで楽しくて仕方なかったです。
技術的には、要所要所にある伏線が「それと分かるように」張ってあります。なので、ある程度の展開は読めるんです。でもそこにプラスアルファがあるから読めない部分が出てきて面白いと感じます。この工夫があるかないかで王道ストーリーの良さも違ってくる気がするので、先生は凄いなと思いました。
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