体感予報
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体感予報

鯛野ニッケ

文豪と美術家の鯛野ニッケ先生

ネタバレ
2024年12月13日
このレビューはネタバレを含みます▼ ご馳走様でした。いや、間違えました。最高でした。この作品に出逢ったのは前のことですが、改めて見返してみてやはりそのように感じました。何よりストーリーが素晴らしい。リアル志向でありながら、エンタメ性も兼ね備えている。また多くは語りすぎず雰囲気で読者に深く読み取らせようとする。漱石、芥川、太宰、そして鯛野ニッケ。鯛野ニッケ先生は文豪的な印象を感じさせます。もしこれが活字だけなら現代文の教科書にでも掲載して良いかもしれません。もっともこの作品は漫画という形態を成しているからこそ、より惹きつけるものがあるとも言えるのですが。というと鯛野ニッケ先生の描く絵はもちろん美麗であることには間違いないのですが、ストーリーと絵との相互理解が非常に優れています。ストーリに合わせた最適なタッチ。場面に即した物事の情報量。まさしく作中のシーンにある漫画においての極意が鯛野ニッケ先生自身しっかりと実行できているのだと思いました。そんな文豪であり美術家でもある鯛野ニッケ先生の一作品を楽しませていただきました。
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