政略結婚の夫に「愛さなくて結構です」と宣言したら溺愛が始まりました
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政略結婚の夫に「愛さなくて結構です」と宣言したら溺愛が始まりました

湯瀬ライム/杓子ねこ/NiKrome

いい意味でも悪い意味でも普通に面白い

ネタバレ
2024年12月13日
このレビューはネタバレを含みます▼ 実家で大層な虐めにあっていた可哀想なヒロインで、嫁ぎ先のヒーローが徐々に溺愛していく、大まかに言うと昨今よく見るストーリーです。

ただ違うことと言えば、家同士、もとい領地同士が非常に仲が悪く、(もう仲が悪いって言葉じゃ済まないほど溝が深い)
んで、国が腰上げて『お前ら結婚しろ。そんで対話しろ』的な感じで(すごい簡略化してるけどだいたいそんなもん)仕方なく結婚する。
離縁したいなんて言えば命令に背くから、嫁がれた側は相手に言わせたいわけで。

それで使用人総出で虐めるわけだけど、それがヒロインにとってはぬるいったらなんの。
何だかんだ部屋は掃除してくれるし食事もあるし刺繍糸も欲しいって言ったらくれる。
「えー!? 皆虐めろって命令されてるはずなのにお仕事真面目〜! やさしい〜!」
ってなるわけです。

ヒーローは最初は無関心。母(義母)が命令してなんかやってんだなーぐらい。
それで不意に会ったとき、『こいつ何か変……』って思い始める。
あと相手の話を聞くってのはまじで優しくない人は出来ないやつな。

使用人たちの虐めもヒロインにとってはすごい演技してるのが分かってて、『わぁ〜頑張ってるんだな〜』って平和に過ごしてる。
義母は(今のとこ)可哀想を演じたくて虐めを指示してる感じ。
本当に本当の悪意に満ちた言葉と暴力に比べればそりゃ平和だわ。心にゆとりが出来ると自然体でいられるようになりますよね。

言うてる通り嫁ぎ先での扱いを王妃にチクったら公爵家が怒られるだろうけど、そうしたらたぶん妻と敵家の溝は更に深まるのでは。虐めとか悪口じゃなくて心の溝が。
表面だけ仲良くなっても結局ストーリー的に意味ないし。
こういうのって心が何処でどう動くのかが大事だから。
それを踏まえるとたしかに全体を通してある程度の読解力は必要だと思う。

長くなりましたがまだ一巻なので☆4つで!
これから溺愛されていくのが楽しみです。
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