このレビューはネタバレを含みます▼
痛くて苦しい展開が結構続くのですが、最終的に純愛で収まります。すごい、ここから入れる保険ってあるんだ…と感動しました。歯に衣着せぬ物言いをすると、情緒がぶっ壊れてしまった人間たちが暴走した挙句終わってるやり取りの末まさかのハッピーエンドを迎える話なのですが、周りの巻き込まれた人々の犠牲がデカすぎてウケます。客観視しているからこんなことを書いてしまっていますが、恋愛というものは得てしてこういうものなのかもしれません。盲目。
本編中のお二人の動機は、過去お互いに与えた原体験に基づいています。復讐、傷つけたい、やり返したい、から始まり恋に気づく怜さん。傷がほしい、支配したい、から始まり恋に気づく司さん。一番最初の出会いを辿れば二人とも恋が最初だったはずなのに、そこから願いが歪んでしまい、それでも最後に恋に気づく展開になっているのが鮮やかで面白かったです。そこからちゃんと昇華されて、愛の心を持って触れ合う二人までちゃんと描かれきっているのも、作品として美しい。これは自語なのですが、対等でいる関係性、相手と対等でいようと努力しようとする人が好きです。お互いに自分の意思でマッチャーでいられる関係が、気持ちがよくていいなあと思います。怜さんと司さんは、付き合えてすぐの今は反動もあってお互いに与えたがりで、それもすごく可愛かったのですが、今までのやり取りで恐らく、相手の本当の意思を汲む、技術の経験値が積まれているので、これからはきっとお互い折り合いをつけたり話し合ったりして落ち着いていくんだろうな、と思うとそれもまた可愛い!ここまでが激しかっただけに、分かり合ったお二人が長年連れ添った連理の仲のように以心伝心のやり取りをするのかもしれない、と考えるとめちゃくちゃときめきます。こそあどで通じる、みたいなやつ。本編の続き、ギャップのあるであろうその後が気になるお二方です。
ただの萌え語りなのですが、最後の方に処女返りが出てきて、あっ処女返りだ!!!と読みながら叫んでしまいました。テンションぶち上がりました。