大人の恋・・ではない

年齢的には2人とも十分すぎるほど大人なんですが、恋愛のあれこれは高校生並みの幼さでした。お仕事の部分はこの作家さんなので本当によくて、ずっとお仕事していてもよかったなあ。見栄をはって編集経験者を装う光也の内心のアワワ加減とか、それを全部お見通しで注意した後に面倒を見てあげる的場の世話焼き上司ぶりが秀逸です。が、恋愛になった途端、勝手に思い込んで勝手に傷ついて勝手に離れていくという、いやいや大人ならそんな思い込みで結論出さないでしょ、と途端におもしろさが半減して残念。ここで３０後半の的場が余裕があればまだいいんですが、こちらも高校生並みに思い込みで動く。SSは５年後でしたが、基本的に思い込みで勝手に結論を出してすれ違うスタイルは変わらず。初々しいというより幼い。全体的にはおもしろかったのですが、主人公2人の年齢に合った恋愛が読みたかったかな。