このレビューはネタバレを含みます▼
●作者さんお二人併記されていますが、「原作と作画」ではなくお二人とも漫画を描かれてます。絵柄は似てるような…違うような…。表紙&試し読みのしゅっとした感じと、もうお一方はふわっとした感じ。どちらも好きな絵柄でした。
●表紙広告全部含めて総74P、その中に短編が5本。あとがきなどの作者さんの言葉も特になし。まあでも最近の相場を考えたらお買い得なのでは…?
●作品説明に「テーマ別に紡がれる…」とありますが、読むとナルホド。“ルーツの違い”、“午前0時”というふたつのテーマで二人の作者さんがそれぞれ描かれてるのです。おもしろい!…なおえっちは一切ナシです。みんな“秘め”てるからね。
●“ルーツの違い”1本目「Dear my friends」18P。日本人留学生ミキのことが気になるケネス…でもミキは自分のこと何も語らず……えっ、そのまま卒業しちゃうんですか?!きっとケネスの想いは届く(届いてる?)だろうなとは思いつつ…続き下さい〜!
●“ルーツの違い”2本目「20センチ」16P。色素が薄く背の高いクォーターの男の子と、日本人の小柄な男の子。周りから異質なもの扱いされるクォーターの子を、小柄な子が「きれいだ」と。「彼を好きになってしまった」と距離を取るクォーターの子が、「やはり自分は異質なのだ」と考えてしまうのが悲しいが、これを小柄な子がぶち破ってくれるのが良い。このお話好きです!
●“午前0時”1本目「はかなくも」20P。お医者さんと役者の深荻(秘めた恋人同士、かな)。深荻のお誕生日に二人で晩酌。ところが先生が眠った後、深荻は“毒”を煽って…。先生がその理由を暴いていくくだり、言葉キツイしグサグサ刺さるんだけど、深荻に“二度目の”「生きろ」を伝えたいのが分かる。俺のそばで生きろと。0時の鐘は新たな“生”の始まりか。
●“午前0時”2本目「試験前」6P。短っ!夜中に長電話の先輩くんと後輩くん(なお先輩の試験前)。なんでこんな長電話しちゃうんだろ…なんでこんな気持ちになっちゃうんだろ…とモヤモヤの先輩。0時を回り、昨日の最後の声も今日の最初の声もアイツの。最後に後輩くんからサプライズ。
●おまけ「ケンカをしたようです。」5P。これまでのどれかのお話の登場人物かな?と思ったけどそうではなさそう。高校生の“秘め恋”です。かわいい言い合いと仲直りの(?)キス。
●さらっと読めてほっこりな短編集でした。レビュー長文失礼しました!