寅野探偵事務所へようこそ
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黒井よだか

寅野探偵事務所へお邪魔したい

ネタバレ
2024年12月22日
このレビューはネタバレを含みます▼ 獣人さんBLにハマっている今日この頃ですが、こちらは一味違った獣人さんBLでした。なにが違うのか?最初、表紙絵を見た際には青年コミック?と思った私。そのくらい、2人(?)の距離感に甘さやBL特有の匂いや色気がなかった。でもこれは、私にとってはいい意味での誤算といいますか、読むとちゃんとした物語と奥行きのある展開で、とても心に染みました。快晴の生き辛かった今までの人生の中で、グレることはあったけど、性根はまっすぐで綺麗な子のまま大人になっている。そんな快晴を採用した慈雨が…慈雨が…好き💗強面、無愛想、不器用だけど、こちらもまたとてつもなく内面は可愛くて優しくておちゃめな獣人。ルックスもまたいい。トラの獣人…かっこいいのに可愛い。内も外もいい。こんなん惚れてまうやろ〜。獣人専門の人探しを得意とする探偵事務所には、いろんな事情や想いを抱いた獣人や人達が依頼にきます。そのバックボーンも含めて、慈雨や快晴が誠実に対応していく姿にウルッときます。そして、忘れちゃいけない、慈雨の姪っ子の結。時には明るく、時には嵐のように、物語に表情をつけていきます。結の心の傷や、それに真摯に向き合おうとする慈雨や快晴、そして周りの大人達。BLだけではない、家族の在り方だったり、人と人との繋がりだったりを、優しく脆く儚く、そして力強く描かれていて、ヒューマン漫画としても読み応えがあります。…と、ここまで書くとほんとにBLなん?と思うかと思いますが、安心してください、ちゃんとBLです。あのヤンキー上がりの快晴が、初心で可愛くなります。そんな快晴を慈しむ慈雨もこれまた…萌えます。体格差のあるエチシーンも、とくとご覧ください。私は萌えしかなかった。上下巻ですがあっという間に読了し、長すぎず短すぎすでとても読みやすかったです。最後ほっこりです。あまり単行本で長くなるのは得意ではないのですが、寅野探偵事務所の周りの人達の日常は、もっとずっと見てたいな…と思いました。上下巻といわず、ぜひぜひ続巻を。
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