このレビューはネタバレを含みます▼
初作家さんでしたが、評価が高かったので読んでみました。タイトル『ロマンスには程遠い』から素直に想像すると、ロマンチックな雰囲気の欠片もないような元気いっぱい?はちゃめちゃラブコメ?方面のストーリーかなと思いましたが、いやいや全然。予想に反してとってもロマンチックでしっとり大人なお話でした。
主人公・新の地味な感じと舞台になる町が田舎である所は、タイトルに合っている気がします。対してルイスが日本大好きのアニメオタク(この辺もタイトル寄り)であるとはいえ、キラキラ王子様風の外国人イケメンですから、見た目の華やかさと身のこなしのスマートさで、全体的にパラドックスめいた真逆のイメージが上手く溶け合っていい雰囲気だったと思います。
大元の初恋の話やアニメ、田舎、カミングアウトなど、様々な要素を少しずつ持ち寄って最高のブレンドが出来上がったような素敵なお話でした。私は、タイトルは逆説で、ロマンスしかないのでは?と思います。