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木下けい子

これが若さというものか…

2024年12月27日
17歳のユキは叶わない想いを抑えきれず、暴走する。三島先生は本当に同情で赦したのであって、あの時点では絆されていなかったんだろうな。ユキに対する感情は最初は同情もあるだろうが、自分が10年間、ずっと持てなかった勇気や行動力。自分はユキのように「17歳の若さゆえ」の行動ができなかった。ユキへの劣等感から、次第に憧れや尊敬に変わったというか、恋に昇華したように感じる。津田に対する気持ちは、乗り越えられなかった時点で自分の中で終わっていたのに、灰になった焚火がいつまでも熱いと思うかのように、恋心に縋っていただけなのかも。そんな人間らしい三島先生、若さゆえに暴走し情熱ほとばしるユキ。読んでいて本当に面白かった。
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