黒薔薇アリス(新装版)
」のレビュー

黒薔薇アリス(新装版)

水城せとな

さすが水城先生

ネタバレ
2024年12月27日
このレビューはネタバレを含みます▼ またすごい発想の作品です。この作者さんには本当に発想の引き出しの多さに驚かされます。
願いを叶えてもらった代わりに吸血樹の繁殖に力を貸す事になった主人公。
繁殖したら自分も相手も死んでしまう運命であり、より良い雄を見分けて吸血樹の繁栄に繋げていくという重大な使命を託されます。
アニエスカとアリス、見た目は一緒なのに全然別人に見えます。人物の書き分け自体も元々上手ですが、同じ見た目でここまで別人に見せる手腕もすごい。
倫理観、生と死について、転生など深く考えさせられる作品です。
また、綺麗事だけで終わらないのがさすがです。
内に秘めたドロドロの想いが交錯していく様がとても面白くてリアルです。
やはりディミトリは最初から特別感があるので、もちろんディミトリが選ばれるだろうとは思ってはいましたが、
他の男性陣は当て馬感はあるけど一人一人のエピソードにもちゃんと焦点を当てられていて、それぞれの細かい心理描写も丁寧に書かれています。
虫の描写が…とのコメントがちょこちょこありますが、私的には虫をここまで綺麗に書けてるのが逆にすごいと思いました。私は全然気になりません。
口の書き方等特徴はあるけれど非常に見やすい絵で、漫画のバランスや構成、伏線の張り方、深みのある台詞回し、心理描写の書き方も抜群に上手くて色々な作品を見る度にさすがだな〜と思います。
あと料理がいちいち美味しそうで食べたくなります。
思わぬ所で第一部が終わりましたが、第二部があると聞いてたのでホッとしました。
第二部も読んでますがとても面白いです。
こんなに面白い作品を考えつく水城先生、天才かつ鬼才ですね。
台詞回しもとても秀逸。素敵な言葉だらけで真似して言いたくなります。
現代のシェイクスピアと言われてるわけが分かります。
世界で一番、俺が〇〇が1番好きですが、こちらは2番目に好きな作品です。
続きがいつもとても楽しみです。
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