圧倒的な世界観と繊細な心理描写

BLジャンルではあるけど、それ以上にストーリー性が素晴らしい！ファンタジー作品として見応えある世界観、それに登場人物の心理描写が丁寧に繊細に描かれており、感情移入しまくりでめちゃくちゃ心が揺さぶられます。背負い込んでいる運命が残酷で必死に守っている現実も非情、めちゃくちゃ切なくてめちゃくちゃしんどくて心が抉られます。
突如家族と離され、洗脳のような戦闘教育を施され、住民には遠巻きにされ、孤独に正体不明の相手と戦い、戦うことで身体は蝕まれ、その結果早死にしていく…悲しすぎます…。
覡として過ごすこと数年、エルヴァはある日少年アルトと出会い、覡の役目を知った少年は、エルヴァの役に立つために頻繁に通い、交流を深めていきます。自分のことを畏れず一緒に過ごしてくれる存在はエルヴァにとって大きいものとなり、更に不思議なことにアルトと過ごすことで身体の侵食も回復していることに気付きます。
2人の交流からイレギュラーな結果が生まれ、だんだん世の中の理に疑問を感じるようになっていきます。
隠された真実は何なのか、黒い海の正体は何なのか、覡育成の教会の正体は何なのか、怖いけど知りたいし、願わくばみんなみんな幸せになって欲しいです。
ジャンルだけでスキップされてしまうのは悔しいと思う作品です。