毒を喰らわば皿まで
」のレビュー

毒を喰らわば皿まで

十河/斎賀時人

久々に骨のあるストーリー

ネタバレ
2025年1月5日
このレビューはネタバレを含みます▼ タイトル通り、とても文章が読みやすく軽率な言葉は何一つなく自分好みで久々に4巻まで一気読みしました。他の方のレビューを見て読もうと踏み切ったのは大正解。
とにかくストーリーが一級のサスペンスドラマ、戦闘も描写が上手く、よくありがちな主人公達以外の他人の描写や情勢の内容が薄っぺらいものじゃない。
視野の狭さを一切感じさせず群像劇も秀逸。
関わり合う人々が入り混じり、主役や周囲のBL愛憎劇もふんだんに加わり大変見事。
最初は人情劇はうまいけど恋愛やえちシーンは苦手なのかなと思う程にはあっさりで、行間読ませるなと思っていたが3、4巻辺りは描写が増えて情感ある内容になっていたと感じました。
伏線が1巻に散りばめられていたと分かるので続巻も読まれておられない方は是非。凄いものが読めると思います。日常的に手や腰腕やお口が絡むの大変好きです。
癖があるとするなら、「俺の○○(名前)」をどの方々も相手に言うところかな。執着愛だいすきなのですが、そこらへんの愛の深さを伝えるような場面の台詞は個性がなかったと少し思いました。
あと不治の病にかかった人へ、猊下の麻やくの代わりは手配されたのでしょうか、見落としたかな、そこだけ気に掛かります。
人の尊厳、思い込みの執念、相手の事を考えない独りよがりな欲望、性を貪る悪辣な人間のサガをこれでもかと組み込む、人間社会の闇が付き纏う、流石の構成。
柔なお話が好きな方にはお勧めしない。
続編を楽しみにしております。
先生とアンドリム様に出会えたこと、至極恐悦です。
更なる運命に逆らって愛を紡いで下さいませ。
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