このレビューはネタバレを含みます▼
『ストロベリーなデイズ』『シトラスミントなデイズ』と続く万福町商店街シリーズ第3弾は最年長カプの登場です。クリーニング屋の後継•一条澄遙は中2の時、親の離婚は自分の頑張りが足りなかったからと自責の念に駆られます。その時、まだ小学生だった仁科洋菓子店の三兄弟のお兄ちゃん•仁科葛が「澄遙は頑張らなくていい、もっと俺を頼れ」と言ってくれます。まだ幼さの残る葛の言葉に澄遙は大いに慰められ力づけられたのでした。その後、大学生になった澄遙がクスリを盛られて悪酔いしたところを高校生の葛が救け出します。酔った澄遙はあの日からずっと葛のことが好きだったと本音を漏らし、二人は熱い一夜を過ごすのですが、翌朝シラフに戻った澄遙は全部忘れたフリをしたのでした。そんな澄遙にお見合い話が持ち上がります。お見合いは店の存続に拘る母親の差し金なのですが、断り切れない澄遙に、かつて両親の離婚の時に流されてしまって後悔した姿が重なります。自ら行動せず被害者の立場に甘んじていた澄遙の葛藤を見抜き、静観する葛の大人さに驚かされます。拗れてしまった両片想いが最後にスッキリとする爽快感が良きでした。20歳の葛と24歳の澄遙の恋はシリーズ初のエロシーンもあります。