ストロボハート
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ストロボハート

梅松町江

3組のカプを描く短編集

ネタバレ
2025年1月7日
このレビューはネタバレを含みます▼ 表題作は、大学の写真サークルで活動する岸谷啓の特殊能力から始まります。他人の気持ちが形になって見える岸谷は、後輩の坂木光太郎が自分に恋心を抱いていることを知っています。気の合う後輩の好意を、ノンケの岸谷は気づかないフリで過ごしているのですが、あまりのいじらしさに気持ちが揺らいでゆくのでした。光太郎の発するハートがふよふよだったりピカピカだったりとても可愛いです。『メルティハート』は続編。岸谷が自分の特殊能力を光太郎にカミングアウトします。巻末の『ウィズアウトハート』では可愛い先輩を見られます。『スリーポイントミステイク』隣人の西木原葉介との痴話喧嘩で怪我をした北上柊二を手当てした三波弥太郎は、学内でも北上と話すようになります。恋人の西木原に無碍に扱われている北上を不憫に思う三波は、自分だったらもっと大事にするのに…なんて考えてしまうのでした。楽しいラブコメです。『窓際のアクアリウム』出版社に入社して5年目の堂島裕一は、異動して新しく担当になった作家が高校の同級生で驚きます。染谷朔太郎とは読書友達だったのですが、高2の冬に染谷に告られてから関わらなくなってしまい、ずっと後悔していたのでした。10代の想いを持ち続ける健気さにほろりとします。いずれもエロなしの初々しい恋物語でした。
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